[TaskChute]タスク実行前のヒントをバッチファイルで拡張する – ブラウザを指定してURLを開く、複数ヒントの実行

タスク実行前のヒントwithバッチファイル タスク管理

TaskChute2withBatFile

島根の司法書士、坂根(@sakane0958)です。

TaskChuteを使う上で、使いこなせると作業効率がグッと上がる「タスク実行前のヒント」機能。
もっと強力に使いこなすためのTipsをご紹介。

バッチファイル(.batファイル)の説明

バッチファイル(.batファイル)」というものを使います。
Windows上で複数のコマンドをまとめて実行するための簡単なプログラムです。

コマンドプロンプトを使ってみよう! -バッチファイルとは?-
”バッチファイル(Batch File)は、Windowsで複数の処理をまとめて実行する際に使われるプログラムファイル。バッチファイルの中身は、基本的にはコマンドプロンプトで実行できるコマンドを1行ずつ明記したもの。ファイル名の拡張子は、「.bat」または「.cmd」とする。通常は「.bat」が採用される。バッチファイルは、条件分岐や変数の記述、他のバッチファイルからの呼び出しができるので余り複雑な制御はできないが、簡単で単純なプログラムなら誰でもすぐに書けるというメリットがある。”

プログラムと書きましたが、大して難しいものではありません。
テキストファイルを新しく作って適当な名前を付け、拡張子を「.txt」から「.bat」と変更すれば、バッチファイルの枠は完成します。
あとは私のサンプルをコピペしたり、Webで検索したサンプルから切り貼りすれば動くものができます。

タスク実行前のヒントにどう適用するのか?

タスク実行前のヒントは、引数がある処理を認識してくれなかったり、複数の処理を入れ込むことができません。
タスク実行前のヒントにバッチファイルへのリンクを貼り、バッチファイルの中に引数のある処理や、複数の処理を記述することで、タスク実行前のヒントに課せられた制限を乗り越えることができます。

タスク実行前のヒントのフォーマットにうまくハマらないものも実行できる

ブラウザを指定してURLを開く

Googleカレンダーをアプリケーションショートカットとして開く

@if not "%~0"=="%~dp0.\%~nx0" start /min cmd /c,"%~dp0.\%~nx0" %* & goto :eof
"C:\Program Files (x86)\Google\Chrome\Application\chrome.exe" --app=https://www.google.com/calendar/render?hl&pli=1
EXIT

TaskChuteからGoogleカレンダーを開く時、私は少しでも画面を広く使いたいのでアプリケーションショートカットとして開きたいのです。
しかし、タスク実行前のヒントにそのまま貼り付けてもうまくいきませんでした。
これをBatファイルを介すことで解決できました。

ToodledoをFirefoxで開く

REM -----最小化して起動するためのおまじない----- 
@if not "%~0"=="%~dp0.\%~nx0" start /min cmd /c,"%~dp0.\%~nx0" %* & goto :eof

REM -----FirefoxでToodledoPrivateのContextビューを開き、Batの処理は先に進める(Firefoxを閉じるまで待たない)----- 
start "" "C:\Program Files (x86)\Mozilla Firefox\firefox.exe" https://www.toodledo.com/tasks/index.php#context"
EXIT

仕事場のPCでは、Chrome(メインブラウザ)で仕事用のToodledoアカウント、FirefoxでプライベートのToodledoアカウントを開くように設定しています。
単純にタスク実行前のヒントにURLを貼り付けると、メインのブラウザで開くことしかできないので、Firefoxで開くという指定ができません。

Batファイルを介すことで、これも解決することができました。

Evernoteの同期を実行する

"C:\Program Files (x86)\Evernote\Evernote\ENScript.exe" syncdatabase
EXIT

Evernoteの同期は、アプリの同期ボタンからだけでなく、コマンドラインから同期を実行することもできます。
タスク実行前のヒントにコマンドを貼り付けてやればできそうなものですが、引数があるからなのか、うまくいきませんでした。
これもBatファイルを介すことで無事に解決。

それまでは、Bluewindに登録した「SyncEvernote」コマンドを「sy」で呼び出して実行していましたが、今ではTaskChute上で「Evernoteの同期」タスクを開始するだけです。
これは体感しないと伝わらない感覚かもしれませんが、「TaskChute上でタスクを実行してすぐに完了させても、やるべきことは終わっている」ことの爽快さ。
至上の効率化を達成した気分です。

これを書いていて、「タスクを一つ用意せずとも、近くにある毎日必ずやるタスクにEvernoteの同期を仕込んでしまえば、さらに手間が減らせる」ということに思い至りました。
開始、完了の手間さえ惜しい」と思えばそこまでやるのもアリですね。
そこまでやるかどうかは思想の問題、という気がしますが。

複数のタスク実行前のヒントを実行させられる

TaskChuteのタスク実行前のヒントには、本来1つの項目しか設定できません。
でも、複数処理して欲しいものもありますよね。

タスク実行前のヒントにバッチファイルを登録し、バッチファイルの中で複数の処理を実行させれば、この問題を解決できます。

Dexpotのデスクトップを切り替えて、チェックリストを開く

REM -----最小化して起動するためのおまじない----- 
@if not "%~0"=="%~dp0.\%~nx0" start /min cmd /c,"%~dp0.\%~nx0" %* & goto :eof

start "" "C:\Program Files (x86)\Dexpot\dexpot.exe" -w 3"
start "" "(ファイルパス)\チェックシート 申請前チェック.xls""
EXIT

申請書のチェックをする際、チェックリストを開くと同時に、デスクトップを3番目のデスクトップに切り替えます。
私はDexpotという複数の仮想デスクトップを構築するソフトを使っています。

仮想デスクトップソフト Dexpot が便利です | KK blogs: けーじぶろぐ
”仮想デスクトップとは、ウィンドウを複数の画面に割り振ることができるソフトなのですが、・・・このような感じで、作業に応じたデスクトップ画面を同時に複数作成することが出来ます。”

事務所で使っている司プラゾンという業務用ソフトがウィンドウの最小化ができないソフトなので、デスクトップ3に追いやっているのです(メインはデスクトップ1)。

このBatファイルを導入するまではチェックリストを開いた後、キーボードショートカットでデスクトップを切り替えていましたが、それが不要になりました。
小さいことですが、申請書のチェックはほぼ毎日ある処理なので、とても楽になります。

編集後記

タスク実行前のヒントにバッチファイルを導入するようになって、痒いところに手が届くようになりました。
タスク開始時に、自動で必要なお膳立てが整うという感覚。
ぜひ多くの方に体験していただきたい。

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TaskChuteをもっと便利に使うためのツール2種類(タスク一時保管庫武器庫)の紹介記事。
ツールはExcelの魔術師の異名を持ち、数々のTaskChuteカスタマイズで有名なマロ。さん(@maro_draft)謹製です。

タスク一時保管庫

タスク一時保管庫は、「TaskChuteのタスクをアーカイブ」しておくためのエクセルファイル。
削除でなくアーカイブだと思えば、気軽にTaskChuteから取り除けます。

タスク武器庫

武器庫は「タスクテンプレート」です。
1ファイルが1テンプレート式(おかげでbluewindから呼び出しやすい)。
TaskChuteを開いた状態で、取り込みたいテンプレートのファイルを開き、右上の鉛筆ボタンをクリックすると(Ctrl+Shift+PでもOK)、TaskChuteにテンプレートの内容が流し込まれます(その後テンプレートファイルは自動で閉じます)。

武器庫の助かる点は、見積り時間やタスク実行前のヒントなども保存しておけるところ。
タスク名だけならテキストのコピペでもいいのですが、それ以外も包括的に流し込もうと思ったら、行ごと保存しておいてコピペするか、武器庫のようなツールが必要です。
とはいえTaskChuteという複雑精緻なシステムを壊さないようにコピペするのはそれなりに神経を使うもので、武器庫のような信頼できるツールの存在はとても助かるのです。

さらに私はテンプレートの中にチェックリスト的な確認項目も入れ込んでいるので、この武器庫のおかげでサクサク仕事が捗ります。
ここから降ろしてきたタスクを実行していけば、抜けなく漏れなく整った仕事ができるのです。
私の所では毎日活躍しています。

[bluewind]有能なコマンドラインランチャーの紹介 – パソコンの奥からズボッと必要なものを取り出せる感覚 | 流れるような一日を

bluewindは、キーワードと紐付けて登録しておいたコマンドを、キーワードで呼び出して実行できるコマンドラインランチャー。

bluewind&単機能ツール集 再配布所

キーワードは、インクリメンタルサーチってやつで、一文字入力するごとに候補が絞り込まれていくので、よく使う「syncEvernote」コマンドなら「s」でたいがい最初に表示されるし、「sy」でほぼ確実に最初に表示、という感じです。

キーワードに対してコマンドグループを割り当てることもできて、便利便利なツールです。
Excelの魔術師マロ。さん(@maro_draft)も愛用。

[失敗学]今ならまだ引き返せる。最後にチェックポイントを設ける – 流れるような一日を

チェックリストの話。これはブログを書き始めて間もない頃の記事で、移転前のFC2ブログにあります。
当時はまだ司法書士ではなく、補助者受験生でした。

司法書士の仕事とチェック

私は司法書士の仕事の中で、「チェック」というのは一番重要な仕事の一つだと思います。
中でも登記申請前の申請書のチェックは代表的なものです。

補助者が作った申請書だったり、自分が作った申請書のセルフチェックだったりしますが、何にしても「作った人の目線ではなく、チェックする人の目線」でチェックすることが必要です。
役割の切り替え。
作る時に気をつけることと、チェックをする際に気をつけることは全然違うもので、それがわからないと問題の本質を見誤ることもあります。

チェックリストは必要十分なものにブラッシュアップする

司法書士の仕事においては、チェックリストが活躍する場は無数にあります。
チェックリストを作ったら、じゃんじゃん使って、チェックしなくても見落とさない項目は削ったり、チェックリストを通しても見落とした項目を追加したり、自分の使いやすい「必要十分」なリストにすることが肝要です。

長くて冗長なチェックリストは疲れるし、集中力が続きません。
もちろん、どうしても長いチェックリストになってしまう仕事もあるにはあります。
しかし、できるだけ最低限のリストにしないとチェックリストそのものを使わなくなってしまうのです。
本末転倒ですよね。

チェックリストは創造的な仕事をするためのツール

最後にこれだけ言わせてください。チェックリストを使う意義は「本当に重要な部分」に使うための判断力を温存しておくことにあります。
例えば、住所変更が必要かどうか、印影が印鑑証明書と合っているかどうか、これらの項目は確認することを忘れさえしなければ苦も無く確認できることです。
しかし、これらの確認を漏らすと大変面倒な事態を引き起こす可能性があります。
こういう項目に脳のリソースを割かなくて済むところにチェックリストの素晴らしさがあるわけです。

チェックリストは、面倒臭いルーチンではなく、むしろ創造的な仕事をするためのツールなんです。
チェックリストの活用で節約したリソースを使って、もっと全体的な視野でチェックをするのです。
些末なことにリソースを喰わせていると、直感も鈍りますよね。
些末なことはチェックリストで確認して、チェックリストでは発見できないような構造的な見落としを本職がきちんと確認するのです。

でも、チェックリストを使わない人には、なかなかそれがわからんのですよね。

コメント

  1. […] ケーションショートカットとして開きたいのです。 [TaskChute]タスク実行前のヒントをバッチファイルで拡張する – ブラウザを指定してURLを開く、複数ヒントの実行 | 流れるような一日を […]

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