[タスク管理]私の考える「タスク管理とは何か?」

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島根の司法書士、坂根(@sakane0958)です。
先日のタスク管理ワークショップの冒頭、タスク管理の心構え的なことを語りました。
その内容を少し整理したり、追加したりしたものを紹介してみます。

現代人にタスク管理が必要な理由

まず、頭の中だけでやるべきことの全てを管理するのは非効率。
これが今からお伝えすることの根底にあります。

複数のタスクを忘れないように頭に置いたまま何かに取り組むのは非効率であり、ストレスなこと

予定とカレンダー

1ヶ月後の「予定」を忘れないように1ヶ月ずっと頭で意識し続けるのは非効率です。
多くの人はカレンダーを活用しています。

つまり、頭の中から外に出してカレンダーに書き出すことで、忘れても良い状態になります。
脳の負荷が減る。いつでも必要な時に思い出せる安心感。

タスクとToodledoの関係は、予定とカレンダーの関係と同じ

カレンダーで予定を管理しているのと同様のことを、Toodledoで行います。
Toodledoにはタスクを管理するためのおよそ必要充分な機能が備わっています。
「自分がやるべきことは、全てToodledoを見ればわかる」という状態のスッキリ感。
今やらないことは全てToodledoに預けてあるので、やるべきこと以外は忘れて、その時にやるべきことに集中することができます。

ペルソナごとに多種多様なやるべきこと(タスク)がある

例えば、

  • 仕事をする自分
  • 夫としての自分
  • 父としての自分
  • JCの副委員長としての自分

これらのペルソナは、どれかが一番大事とは言えない、優劣の付けられないものです。
言ってしまえば、どれも一番大事。

それぞれのタスクが同時期に重なってくることもあります。
そうすると、混乱します。
焦ったところで、一度に複数のことはできないので、一度すべてをまな板の上に載せて、優先順位を決めて上からやる。
タスク管理を実践していれば、そこにすぐ思い至ることができます。

タスク管理をしない場合に直面する困難

どれからやるのか?目に付いたものから着手していくのか?

ざっと見て、今日の定時までに終わらない量の仕事がありそうに見える。
どの仕事も、遅れたら怒っているお客さんの顔が想像できる。
どの仕事から手を付けるべきか、何を基準に決めますか?

一番上にある、最初に目に付いた仕事?
確かに「いつかはやらなければならない仕事」かもしれません。
手当たり次第にやっていけば、いつかは終わるのかもしれない。
でも、それで本当に間に合いますか?
それを頭の中だけで判断できますか?

タスク管理の頭があると、まずはここで「全部列挙してみよう」と考えます。
列挙して簡単に比較できる状態にすると、冷静な判断ができるものです。
例えば、怒ったら怖いお客さんの仕事でも、締め切りがまだ先であれば後回しにしても大丈夫でしょう。
直感だけで判断すると、怖いお客さんに怒られるイメージだけに引っ張られて、そういう仕事から先にしてしまうようなことも起こり得ます。

人間が頭で一度に覚えていられるのは7つまでです。
頭の中だけで考えるより、書き出して見えるようにしてから優先順位を考える方が、ラクで早いはずです。
混乱していて焦っているときほど、そうした方が良いのです。

心から安心して休んだりリフレッシュしたりできない

タスク管理をしない場合、「今日やるべきことは全て終わっている」という判断はどのようにするのか?という問題があります。
定時になった、帰っても良いが、少しでも進めておいた方が良さそうな気がするから残業する、という経験は社会人ならたいていの人が経験しているのではないでしょうか。

「段取り八分」という言葉がありますが、タスク管理は段取り八分の実践でもあります。
先に「今日やるべきこと」を洗い出しておきます。
一日で終わらないプロジェクトであれば、締め切りまでのペース配分も考えて決めます。

そのようにして段取りができていれば、「今日やろうと決めたこと」を終えたら、安心して仕事を終えることができます。
そして、気持ち良く休んだり遊んだりできる。

仮に「今日やろうと決めたこと」が終わりきらなかったとしても、優先順位が高いものから処理したのであれば、残りは明日やることにする、という判断も下しやすいものです。
この段取りが無い場合、後で辛い思いをするのではないか、という不安がつきまとい、非効率な疲れた状況で仕事を進め続けてしまったりします。
また、タスク管理ができていれば、「どれくらいの量を明日に持ち越したのか」も把握できています。
明日、何から実行すべきか、も明確です。

睡眠の断絶、週末の断絶

夜、やり残したことがある、でも朝になったら忘れているかも、という不安。
これも、夜型人間なら多くの人が経験していると思います。
これが睡眠の断絶です。

また、金曜日に終わりきらなかった仕事があったとき、月曜日にちゃんと思い出せるだろうか?
という週末の断絶もサラリーマンなら、経験があると思います。

タスク管理でこういう不安におさらばすることができます。
朝や月曜日に「やらねばならないことを思い出せない」ということは無くなります。

すると、忘れても大丈夫な状態になるのです。
夜はすっきり眠ることができるし、週末は仕事のことを忘れて休みを堪能することができます。

タスク管理は地図

さて、タスク管理は何でもできるようになる「魔法のツール」ではありません。
時間が増えるわけでもありません。

むしろ、管理に使う時間がとられる分、自由に使える時間は少々減るものです。
でも、うまく使えば遠回りをせずに、優先順位を踏まえて行動できるようになります。

タスク管理をせずに忙しく動いている状態というのは、地図を見ずに一生懸命走り回るようなものです。
ちょっと立ち止まって、地図を見て、最短経路を走る、それが一番時間も体力も使わなくて済みます。

この自分の地図は、誰も与えてはくれません。
自分で手に入れるしかありません。

タスク管理は一人二役

秘書と社長

お金が充分あって、時間が無い人は秘書を雇えばいい

例えば、秘書が「18時にXさんと会って、次は何をして、、、」とやるべき事を管理してくれたら、自分はやるべきことのみに集中できて楽ですよね。
タスクを秘書が全て最適に割り振ってくれて、自分はやるべきこと、やりたいことに多くの時間と労力を割けるのが、理想だと思います。

でも、一般人には秘書は雇えないのですよね。

そこで自分が自分の秘書になる

秘書として、タスクを管理する自分。
そして、秘書の自分が決めたようにタスクを実行する自分。

タスク管理は「半自動の秘書」という側面があります。

上司と部下

人から言われた通りに仕事をするのは楽

例えば新しい仕事についたばかりの頃、最初は何をすればいいのかもわからないので、上司や先輩がやるべきことを指示してくれます。
言われたとおりにやれば良い時期は、責任も少ないし、仕事の内容そのものは簡単です。
しかし経験を積んでくると、自分で考えて行動することが求められるようになります。

タスク管理を実践することで、一人二役で「指示を考える側」と「実行する側」を演じることができます。
事前に冷静な頭で「このタスクとこのタスクをこの順番でやるべきだ」と考えて整理しておく。
そうすると、実行時には迷うことなく一気呵成に実行することができる。
実行に集中できると、人間の頭は今までよりも良いパフォーマンスを発揮してくれるものです。

タスク管理は未来の自分への手紙

タスク管理は何でもできるようになる万能薬ではありません。

あれしよう、これしようと計画を立てても、未来の自分がそのタスクリストを見た時、決めたとおりに実行するとは限りません。
これは「別人問題」という現象の表れですが、タスクを、「自分との約束」などと堅く考えると続かないと思います。

私は、タスクは約束ではなく「手紙」くらいのものと考える方が良いと思います。
未来の自分へのお願いだったり、申し送り。

想定した通りのことを未来の自分がやってくれるとは限りません。
でも、少なくとも未来の自分にきっかけを与えることができます。
そして「気付いてさえいればやったのに!」と失敗するようなことは減らせます。

こんな人にタスク管理が向いている:2つのタイプ

マジメだけが取り柄と自認している人

世の中には、頭だけでいろいろなことをテキパキと処理できる人もいます。
私は「きっと脳のワーキングメモリの使い方が上手いんだろうな」と思って見ています。

残念ながら、私は少なくとも今のところはそういうタイプではありません。
テンパるとすぐにあたふたしてしまいますし、頭の中だけでの計算とかも苦手です。

そもそもデキる人にはタスク管理など要らないのかもしれません。
でも、凡人にこそタスク管理は必要だ、と私は思っています。

化学兵器のことを「貧者の核兵器」と表現することがありますが、タスク管理は凡人のための武器だと思います。
どんな武器でしょう?
「鬼に金棒」ではありますが、イメージ的には金棒ではなさそうです。
「正確」とか「ぴったり」とか「博覧強記」とかそういう感じですね。

「凡夫のアサシンダガー」
思い付きで書いてみましたが、何か違う気がします。
「必ず命中する弓のイメージかな」と思って伝説の弓を検索したりしてみましたが、適当なものが見当たりませんで、断念。
良いフレーズを思いついた方、コメントいただけると喜びます。

やりたいことがたくさんあり過ぎて困る人

タスク管理で管理するのは、「やるべきこと」だけではありません。
自分自身が「やりたいこと」もタスクと扱ってかまわないのです。

「時間ができたら、あれをしよう、これもしたい」とやりたいことがたくさんあり過ぎて決められなかったり、迷っているうちに本当にやりたかったことをやる時間が無くなってしまう。
そういう人も頭の中のやりたいことを洗いざらい書き出してみて、優先順位をつけて並べてみたり、整理してみたりすると、やりたいことをもっとたくさんできると思います。

私はどっちのタイプ?

私自身は両方当てはまるタイプだと思っています。
機転の利く方ではないですし、もっと時間があればブログももっと書きたいし、Ingressのポータル申請ももっともっと申請したい、本も読みたい。
子供と遊んだり、一緒に本を読んだりもしたい、保育園や学校での話もいろいろ聞きたい。

仕事のタスク管理ではやるべきことを忘れずにこなすためにタスク管理を活用していますし、プライベートのタスク管理では、たくさんあるやりたいことを管理して、優先順位を整理し、仕事や育児やJC等々の中に「自分のやりたいこと」を滑り込ませていくのか、腐心しています。

編集後記

初心者向けのタスク管理ワークショップを主催させていただいて、タスク管理にこれまで触れたことのない方々にどう伝えたらタスク管理というものがわかっていただけるのだろうか?といろいろ悩んだ末、こんな話をさせていただきました。
私自身としては、自分にとってタスク管理とは何だろうか?ということを見つめ直す良い機会になりました。

ただ、ワークショップとしてはこういう抽象的な話よりも、具体的な作業をもっと一緒にやってみた方が良かったのかもしれません。
次回は作業面をもっと多く取りたいと思っています。

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無料アカウントでは、まともにタスク管理できないのが玉に瑕。
お試しプレミアム期間が使えるようになったら、もう少し見極めてみたいと思っています。

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初心者がToodledoでタスク管理を始める、というところにそもそもの無理があったのかもしれません。
言われてみれば、私も最初はToodledoでなくRemember The Milkでタスク管理を始めています。

使う項目さえ絞れば、なんとかなるのではないか、と思っていましたが、予期していなかった「英語の障壁」も大きかったです。
新しい概念を勉強するのに、勉強する対象が英語か日本語か、大きい差ですよね。

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