マンガで古事記を学ぶならこの二冊

1susanoo JC

島根の司法書士、坂根(@sakane0958)です。
古事記を学ぶのに最適なマンガ2シリーズを紹介。

「マンガで親しむ出雲神話」シリーズ スサノオ、オオクニヌシ

 

このシリーズは、子供でもストーリーが理解できるのが良いです。
私が子供の頃、家に1,2巻があったので、繰り返し読んだのを覚えています。

神話の中の不自然なストーリーが自然になるように、一部フィクションを挿入してある部分もありますが、意外に古事記に忠実な面もあってびっくりします。

例えば、黄泉国でイザナギがイザナミを見つけるシーン。
雷神達がイザナミの身体にまとわりついています。

イザナギにまとわりつく雷神(スサノオ)

スサノオ (マンガで親しむ出雲神話 1) より)

このシーンで雷神達がイザナミにまとわりついているのが不自然だな、と昔から違和感を感じていました。
これが、後述するぼおるぺん古事記を見て氷解。

イザナギにまとわりつく雷神(ぼおるぺん古事記)

ぼおるぺん古事記 (一)天の巻より)

なるほど、古事記の本文がそういう描写になっていたのか、と。
ストーリーに気を配りながらも、意外に細かいところにも気を使って描かれていたことがわかりました。

「ぼおるぺん古事記」シリーズ

 

 

原文と一緒に読めるので、スサノオ・オオクニヌシを読んだ後に読むと、不自然なストーリーや不自然な描写に納得がいきます。

逆に、この本から始めると途中で面倒臭くなるかもしれません。
スサノオ・オオクニヌシでストーリーをざっくり把握したうえで、2冊目として読むのがオススメです。

番外編 「古事記 ─まんがで読破─」

上記2シリーズを読んだ後、「マンガ 古事記」で検索たら出てきたので、軽い気持ちで買ってみた本。
「まんがで読破」シリーズは他にも多数の古典がマンガ化されているのを知っていたので、参考までに読んでおくか、くらいの感じ。

中身は上記2シリーズとは構成が異なり、古事記についてのグループ学習をする学生と先生のやり取りの中で、古事記の解説をするような形式でした。

神話ならではの意味不明なシーンの解釈などあり、軽い気持ちで買った割には収穫のあった本でした。
例えば、スサノオが馬の生皮を投げ込んで機織り女が「見驚きて梭に陰上を衝きて死にき」というシーン。

おどろきのあまり機織女の一人が機の梭で下腹をついて死にました(スサノオ)

スサノオ (マンガで親しむ出雲神話 1) より)

天服織女見驚きて梭に陰上を衝きて死にき(ぼおるぺん古事記)

ぼおるぺん古事記 (一)天の巻より)

「梭」は機織りで横糸を通す道具、と説明がありはしますが、馬の生皮で驚いて「下腹を突いて」死ぬというシーンがうまく想像できませんでした。
それが「古事記 (まんがで読破)」では、このように説明されていて、なるほどと得心がいったのでした。

服織女の不可解な死ですがこの場面はおそらく強姦ではないでしょうか(古事記 (まんがで読破))

古事記 (まんがで読破)より)

というわけで、ストーリーだけでなく、神話に込められた意味などももう少し知りたい、という向きにオススメです。

編集後記

私が住む江津市には、石見神楽、大元神楽(国指定無形民俗文化財)という伝統芸能があり、その演目の中には古事記の神話を元にしたものが多くあります。
岩戸大蛇八十神鹿島等々。

同じ神楽を観るのでも、ストーリーがわかった上で観るのかどうかで全然違うと思います。
ストーリーを踏まえて観る方が断然面白い。

参考までに、石見神楽ってこんな感じです(1:33)。

 

もう少し長いのも観てみたい方はこちらをどうぞ(11:24)。

 

また、眼前で踊るのを観ると迫力が全然違いますので、機会があればぜひ本場で体験していただきたい。

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”石見神楽の上演スケジュール、イベントなどをまとめました!”

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