[土地家屋調査士試験]合格体験記(令和5年度)

土地家屋調査士試験

自由に書きたかったので予備校の合格体験記は書かず、ここで合格体験記を書くことにした。

著者は司法書士なので、一般的な合格体験記としてはあまり参考にならないかもしれない。
また、勉強を中断し、離れていた時期もあり、4回目の挑戦での合格となった。
そういった事情も踏まえて読んでもらえたらと思う。

午前試験免除のための測量士補(平成26年合格)

平成25年に司法書士試験に受かった翌年、平成26年に測量士補には受かった。

測量士補の難易度について、自分は過去問を中心に短時間の勉強で挑戦して測量士補に合格したが、測量士補の記事を読んだ司法書士試験同期から「自分には難しかった。あなたは理系だから簡単だったんでしょ」と言われたことがある。

それについては、錆び付いてはいても受験数学の残り香が残っていれば、過去問で頻出問題を押さえたうえで本番で足掻けば、何とかなるような気がする。
ただ、「数学は苦手だった、三角関数は全く覚えていないし、図形問題は手も足も出ない」という感じだと、確かに大変かもしれない。

とはいえ、測量士補は土地家屋調査士試験に比べるとかなり難易度の低い試験であることは間違い無く、独学で受かる人も多いし若い学生の合格者も多い試験なので、そういう意味では試金石にはなると思う(測量士補が無理そうなら、土地家屋調査士はもっと無理)。

なお、同じく平成26年に受けた認定考査は不合格だった。
自分の中では測量士補と認定考査にサクッと受かって、土地家屋調査士の勉強を始めるつもりだったが、認定考査には平成31年度まで受からず、なかなか土地家屋調査士試験への挑戦に着手できる状態とならなかった(5年間の足踏み)。

土地家屋調査士試験に向けて購入した主要な教材一覧

令和元年

  • LEC:講座コードCB20018 免除資格者Bコース(ストレート合格Bコース?測量士補等の午前試験免除資格があり、司法書士試験等で民法の勉強は済んでいる人向けのコース)

令和4年

  • LEC:講座コードCB22063 22年 答練直前パック/通信自宅2022年合格目標:答練直前パック

令和5年

  • LEC:22択一過去問集
  • LEC:22書式過去問集
  • 東京法経学院:調査士 合格直結答練2023
  • LEC:講座コードCB23585 2023年合格目標 申請書マスター講座2023年合格目標:申請書マスター講座
  • LEC:講座コードCB23341 2023年合格目標 スーパー特訓講座2023年合格目標:スーパー特訓講座【書式編】(これは「2020徹底解析編書式編」の最新版を期待して受講したのだが、思っていたのとは違った)

予備校の選択について

司法書士試験に挑戦した際の予備校はLEC(海野先生)だったので、あまり時間をかけずにサクッとLECに決めた。講師は木村先生。

LECに決めた理由をもう少し書くと、オンラインの受講環境が他の予備校より良さそうと思っていたし、システムの使い方もある程度わかっていて自分にとってメリットが多かった。
それに予備校の優劣よりも、受験生自身に起因する要素(勉強時間を確保できるかどうか)の方が多いのだから、あれこれ悩むよりもさっさと始めてしまった方が良いだろうと思っていた。

令和5年には東京法経学院の答練も利用するのだが、LECと比較すると東京法経学院はアナログ寄りの運用が目立った。
自分にとっては、最初のインプット講座としてLECを選択したのは、今振り返って考えても正解だったと思う。

令和2年本試験までの経過

この年の勉強は主に講義を聴くこと、答練受けること、書式の基礎の基礎あたりまでしか手が回らず、択一はあまり手当てができていなかった。

1年目のこの年は「択一で8割9割、記述もそれぞれ8割9割取れないと合格ラインに乗らない」という説明を見て、「そんなことある?信じられないなぁ」と思った記憶がある。
今にして思えば、年によって全体の上下はあるものの、まともな問題が出た年は確かに8割9割の戦いが繰り広げられている印象。順当な説明だったんだなと思っている。

勉強開始した頃は、司法書士からは見えていなかった土地家屋調査士の世界に刺激を受け、講義を見進めるのも楽しかったのだが、勉強習慣が途切れてしまった時期があった。
ファイナル答練が始まる頃に、「答練も始まるし、そろそろ勉強しないとなー」と答練を契機に重い腰を上げたのを覚えている。ちなみに答練の成績はほぼDだった。

記録を振り返って見ると、ファイナル答練始まった頃にはインプット講義を最後まで見終わっていなくて、講義完了が9月第2週。
過去問に取り組み始めたのは8月31日、とあった。

そのような感じでただでさえ準備不足なのに、9月の途中から直前期なのにもかかわらず勉強時間が失速するのだが、これはプライベートでトラブル発生し、勉強どころでは無くなったため。
土地家屋調査士の勉強よりも、緊急度の高い問題だったので、そちらの情報収集や対応にかかりっきりになった。

本試験は、合格の見込みは無いだろうが受けるだけ受けた形。
とはいえ、木村講師の教えに従い、座標が出なくても図面は描いた。
これは初期の頃から答練でも本試験でも意識している。

令和2年の記録

勉強時間:255時間(過去問とあるのは択一過去問)

R2StudyLog

ファイナル答練の成績

R2final

本試験成績

R2Score

令和3年本試験までの経過

次の年も、プライベートのトラブルは収束せず、直前期までろくに勉強時間も取れずに日々が過ぎた。
勉強復帰のタイミングや契機など、詳細はあまり覚えていない。
「まずは択一で基準点を越えないと話にならん」ということには危機感を抱いていたと思う。
StudyPlusのグラフを見ると、8月くらいから択一を中心に勉強したようだ。

この年は新規の答練は受けなかったはず。
グラフに答練の時間が計上されているのは、昨年のファイナル答練を解き直したのではないかと思う。

この年に一応、択一は基準点を超えた。

令和3年の記録

勉強時間:190時間(過去問とあるのは択一過去問)

R3StudyLog

本試験成績

R3Score

令和4年本試験までの経過

この年はファイナル答練を再度受けた。今の立ち位置を確認したかったから。
2年前はほぼDだったが、CやBの割合が増えた。

直前期になってから、「書式がこのままではどうも間に合わない気がする」と思って、週末土曜に建物1問、日曜に土地1問、というペースで解いていた書式問題を倍に増やし、土曜に建物1土地1、日曜にも建物1土地1を解くようにした記憶がある。

ちなみに、書式の勉強は「2020徹底解析編書式編」を繰り返し繰り返し解いていた。
司法書士試験の書式の勉強をしていたときも同様のスタイルだったが、本試験で出る可能性がある論点がひととおり盛り込まれた一連の問題集を繰り返し解くのが自分には性に合っている。
書式については「初見の問題を解く力が大事」という観点もあろうが、書式問題で大事なのは多数の受験生が解ける問題を落とさず解くことだと思っているので、同じ問題集をグルグル回すことで自分のものになっていない論点を明確にして、克服していくことが近道と自分は考えている。

本試験の日には、「これでどうにかこうにか土地の書式もある程度闘えるようになったかもしれない」と思ったのだが、現実はそこまで甘くなく、択一は満点、総合点も合格水準を超えていたが、記述の足切りで不合格の憂き目を見た。

択一で良い点が取れたこともあり、正直、択一で逃げ切れているのであろうと楽観的に考えていたので、不合格の結果は結構ショックだった。
とはいえ念のため、本当に念のために合格発表までは昼休みの択一、週末の書式問題は継続していた。これは結果として、とても重要な分かれ道だったと思う。

ちなみに本試験後の択一過去問演習は、問題冊子を何度も繰り返して見飽きたので、気分を変えてリフレッシュするために22年版の過去問集を買って取り組んだ。
これも結果としては令和5年度の合格のために良い方向に作用したと思う。

令和4年の記録

勉強時間:239時間(過去問とあるのは択一過去問)

R4StudyLog

ファイナル答練の成績

R4final

本試験成績

R4Score

令和5年本試験までの経過

令和4年の結果を受けて、合格まではあと一息とわかったので、勘が鈍らないように早期に始まる答練を受けたいな、と思った。
しかしLECの答練は当分先、早々に始まるのは東京法経学院の答練しか無いようだ。

なかなか値段が張る答練であったけれども、ともかく何か始めたかったし、自分の立ち位置も確認したかったので受講することにした。
LECとはまた違う観点からの指導もあり、とても良い投資ではあったと思う。
上の方で「東京法経学院はアナログ寄り」と書いたりはしたが、そういったデメリットを踏まえた上でも、東京法経学院の答練は受ける価値があった。

それから、特に建物の申請書の整理に曖昧さを感じていたので、LECで申請書マスター講座を取った。
これは受講開始時期が遅かったのがもどかしかったが、この申請書マスター講座のおかげで建物のひな型の整理は捗ったと思っている。

令和4年で択一知識は充分闘えるように仕上がったのだと思ったので、令和5年の択一は最低限の手当に留めて、書式対策に重きを置いた。

令和5年の記録

勉強時間:383時間(過去問とあるのは択一過去問)

R5StudyLog

答練の成績

R5basic

R5jissen

本試験成績

R5Score

振り返っての感想

司法書士が土地家屋調査士試験に挑戦する場合、司法書士の仕事をしながら兼業受験生として取り組むことになると思うけれども、司法書士試験や実務で得た知識が役に立つので、優位な位置からのスタートとなることは間違い無い。

自分の場合は、まとまった時間を集中投下する形でなく、日々の短時間の勉強を積み重ねる形で積み上げた。
ベースとして確保したのは昼休みに択一過去問解くこと、週末に書式1日1問解くこと。密度が高くないので効率は悪かったと思うが、こういうやり方でも、きちんとやることをやれば合格水準には届くと思う(令和5年は書式で悪問が出たので、運もかなり絡んだけれども)。

択一については過去問を繰り返し解き、解説読んでも曖昧な論点はテキストに戻る、という勉強をベースに充分な密度で時間を注げば、合格レベルの得点力はつくと思う。
司法書士試験の択一対策と同様で問題無い。

書式については、土地・建物それぞれの図面をたくさん描くのが一番の近道なのだろうと思う。

本試験の後、合格発表までの間に細々とでも勉強習慣を継続することは大事だと令和4年から令和5年の再挑戦のときに感じた。
ここで途切れさせていたら、思い出すところからのスタートとなり、令和5年に合格できていなかったと思う。
司法書士試験でもよく言われていたことなので、これも今さら言うまでも無いことだが。

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