[司法書士試験]気付いていたのに書き忘れるミスを無くす

1.こういう人に効果があります

司法書士試験の記述式(書式)のテクニックの話です。

 

・問題文を読んでいる時には気付いていたのに、答案では何故か書き漏らして悔しい思いをしたことがある人

・基本的にせっかちな人

 

2.問題の所在

そもそも気付けなかったのならばいざしらず、問題文を読んでいる時には気付いていたのに、答案を書く際にはうっかり忘れてしまう、という経験、司法書士試験の受験生なら、きっとありますよね。

 

定款、種類株主総会議事録、総株主の同意書、農地法の許可書、等々。

 

何でこんなミスしたんだ、と自分を責めるのは愚かなことです。人間は忘れる生き物ですし、気合いでどうにかすべき問題ではありません。

 

そもそも択一のように問題文を読んでから解答を書くまで数分という問題形式ではないので、数十分もの間、全ての必要事項を頭で覚えておくのは非効率です。

 

どこかに情報を整理しておいて、必要な時にさっと確認できるようにするべきです。

 

3.私が実務でもやっているやり方

(1)実行とチェックの分離

実務において私が申請書を作る際は、まず記憶と直感に従ってざーっと申請書及び添付書類を仕上げてしまいます。

 

その後、自分がよくやるミスを整理したチェックリストで漏れを確認します(「事後チェックリスト式」と呼ぶことにします)。

 

他のやり方として、「こうすれば漏れなく仕上げられる」というマニュアルをまとめておき、それに従って作業をする、というやり方が考えられると思います(「マニュアル式」と呼ぶことにします)。

 

実務に入って直後は私もマニュアル式だったのですが、慣れてきたら事後チェックリスト式の方が性に合ってきました。

事後チェックリスト式の方が、スピード感を殺さずに作業が進められるのです。

 

また、マニュアル式では急いでいるとマニュアルを読み飛ばしてしまって、うっかり漏れを発生させることもあります。

せっかちには事後チェックリスト式がおすすめです。

 

(2)答練ではどうするか

答練ではチェックリストは持ち込めませんので、あらかじめチェックリストを暗記するか、その場で作るかすることになります。

 

今回は、その場で作るチェックリストの話になります。

 

例えば、問題文を読んでいて、地目が「畑」だったことに気付いたら、問題文の上部余白に「農地法」と書きます。

同様に、総株主の同意書が必要なパターンかも、後で確認しよう、と思ったら「総株主の同意書」と書きます。

 

もちろん、自分だけが読める程度の殴り書きで、手間をかけずに書きます。

 

ここでは、後できちんと確認した方が良い論点、自分が忘れそうな論点を挙げておきます。

 

そして、答案を書き終わった後に、問題文上部の余白を見返してチェックします。

 

私の場合だと、余白にメモする時点で結構印象に残るせいか、チェックの時点では正しく書けていることの確認に終わることが多いです。

もし漏れている論点に気付いたら、もちろん追記します。

 

4.他の方法との比較

(1)頭に全てを覚えさせておく

GTDを知っている人であれば納得していただけると思いますが、人間が短期に頭の中に保持しておける情報量というのは多くありませんし、外に出せるものは出しておいた方が脳のパフォーマンスが上がります。

 

後からチェックしても致命傷にならないものは、最後にチェックすることにして、それ以外のことに集中できる状況にしてやる方が、効率、精度ともに上がると考えるので、頭に覚えさせておくやり方はオススメしません。

 

(2)問題文そのものに丸印やマーカーを付けて目立たせる

私も未だにやっていますが、信頼を置いてはいない方法です。

 

速読の達人ならどうかわかりませんが、普通の人にとっては、文章の中から欲しい情報だけを拾い出すという作業は、印が付けてあっても心理的面倒くささがどうしても発生します。

 

そうすると、次にはチェックそのものがおっくうになってしまうのです。

 

時間が厳しい午後問題の中で、その面倒くささと焦りからチェックを端折ってしまうと、何のために丸を付けたのかわからなくなってしまいますね。

 

事後チェックリスト式で問題用紙の上部に書き出してあると、せいぜい30秒もあれば、漏れの有無くらいは十分確認できるものです。

 

また、問題文に印を付ける方式では、ついつい印の数が多くなりがちなのもデメリットなのです。

事後チェックリスト式では書き出す手間があることによって、チェックリストが膨大になることも防げるのです。

 

(3)リアリスティック式

以前記事に書いた「司法書士5ヶ月合格法」の松本雅典講師が書いた下記の書籍の中で紹介されているやりです。

 

一通り読み、いくつか取り入れる部分もあったので近いうちに記事で紹介したいな、と思っています。

 

 

松本講師のやり方は、「問題文に出てきたら、解答用紙に思い出せる程度にさっさと書いてしまう」という方法です(「リアリスティック式」と呼ぶことにします)。

 

鉛筆で書いておいて後から消す、または消す手間がもったいないので最初からボールペンで書いてしまい、もし不要だったら二重線で消す。

 

この方法の良いところは、答案を書き始めるときに嫌でも思い出せることです。後から気付いて書きに戻るという二度手間が生じません。

 

なお、事後チェックリスト式と比べた場合には、問題文と答案用紙を行ったり来たりするので、多少スピード感に劣るという欠点があると思います。

 

リアリスティック式と事後チェックリスト式は一長一短あると思うので、私は好みで使い分けたら良いと思っています。

 

(4)リアリスティック式に分がある場面

ちなみに、事後チェックリスト式がメインの私も、リアリスティック式を採用している場面があります。

 

それは不動産登記の添付書面「その他」欄です。

 

ここに「住」「印」と書いて住所証明書と印鑑証明書を書き忘れないようにしています。

 

最近よくある「要・不要」のどちらかに丸をするパターンの答案用紙で、住所証明書や印鑑証明書の枠が無い時、「その他」欄に書かねばなりませんが、よく忘れるのでその対策です。

 

こればっかりは答案用紙が配られてすぐにわかる部分なので、リアリスティック式が有利です。

 

[この記事の執筆にかかった時間 74分]


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