1.本試験の開始、終了時刻を正確に把握する
かれこれ5回も6回も司法書士試験の本試験を受験したベテラン受験生ならではの経験を書いてみます。
本試験で自分の時計を試験官の時計にぴったり合わせ、正確な残り時間を把握する方法です。
「午後問題で時間が足りなくなるから、いつ終わるのか1秒単位で正確に把握しておきたい」という受験生に特に有用だと思います。
逆に、そんなものは分単位でわかれば十分、という方には細かすぎる話かもしれません。
(1)古き良き時代
数年前は、会場の入り口にデジタルの電波時計が置いてあり、「この時計で試験を行います」という措置がありました。
これは大変楽チンでした。そこで時計を合わせておけば、あとは試験の直前にいろいろな策を弄する必要もありません。
しかし、少なくとも自分が受験した受験地では、一昨年(2011年)以降そういう措置は無く、全て試験官個人の時計で実施されました。
(2)流れに任せているだけでは、正確に合わせることは難しい
今年(2013年)私が経験した例だと、試験官が受験の注意などを読み上げていた最中、いきなり「今、私の時計で9時25分40秒です」と彼の時計の現在時刻を宣言しました。
受験生は皆、自分の時計を手に取りました。でも、その後受験生が期待していたように9時26分ちょうどや27分ちょうどに再度時刻を教えてくれることはなく、皆、どうにもできないまま試験開始まで待っていました。
これは、不親切というか何というか。
以前の措置を知っているだけに、「見えないところにある個人の時計で試験を行うくせに、受験生にはそれに合わせさせてくれないなんて、公平に反する」と感じました。
でも推測するに、あえてそうしたくない理由があるんでしょうね。
受験生の時計を試験官の時計に合わせさせるとトラブルの元になる(早かっただの遅かっただの)から、積極的には時計を合わせさせたくないのだろうと思います。
正確に合わせさせなければ、少々の手落ちがあってもわかるまい、ということなんでしょうが、ちょっと考え方がセコいように思います。
おそらくは試験官個人の考え方ではなく、法務省としての方針なんでしょう。お役所としてはいろんなトラブルのリスクを減らしたいんだろうな、と思いました。
2.試験官の時計に自分の時計を合わせる方法
というわけで、皆と一緒にただ待っていても正確な時刻を得ることはできません。能動的な行動や、事前の準備が必要です。
まず、準備が無くても行動すれば良い方法から。
(1)ダメ元で手を挙げて直訴
去年(2012年)の話です。
午前科目の試験開始前の説明が終わったあたりで、どうやら受験生に時計を合わせさせるような手順は説明の中には無さそうだ、と判断しました。
どうするかな、と考えた後、待ち時間の間に手を挙げて、「時計を合わせたいんですが、そういうことは難しいんでしょうか」と会場スタッフに相談したところ、私のところにだけ試験官の時計を貸してくれて、時計を合わせさせてもらうことができました。
これは、手を挙げたもん勝ちだったな、と思います。
ただ、不公平感は感じます。本来は、全員に時計を合わせる機会を与えるべきだと思います。
なお、この方法は試験官の裁量によっては、許可してもらえない可能性があります。
ダメ元で試しましょう。
(2)時計を2つ用意する
こちらは事前準備が必要ですが、後ろめたさも勇気も必要無いのでオススメです。
試験官の時計に秒針まで合わせるための時計(A)と、大まかな時間を把握するための予備の時計(B)の2つを用意します。
なお、どちらの時計も、余裕をもって電池交換しておくと、より安心です。
Bの方は、標準時にでも合わせておけば良いと思います。Aの方は数分前に秒針を00に合わせて止め、試験官の「では始めて下さい」に合わせて動かし始める。
Q:1つじゃダメなの?
A:1つだとリスクが大きいです。
まず、1つだと秒針を0に合わせて時計を止めた後、時刻の進行が掴めなくなります。
例えば9時27分に止めた後、9時30分ごろの開始の合図まで、いつ試験官が開始の合図をするか、試験官から目が離せなくなります。
次に、「始めて下さい」の合図に正確に合わせたつもりが、時計が動き始めていなかった場合、あなただけが時間の進行を掴めないまま午前科目2時間を闘いきらなければならなくなります。
そういうリスクは避けたいですね。「要らぬことをしなければ良かった」と後悔する羽目になります。
そういうリスクを避けるためにも、正確に試験官の時計と一致していなくてもとりあえず動き続けている時計がもう一つあると安心なのです。
3.ハプニング事例集
私が遭遇した事例を紹介してみます。
どちらも「そういうことがあり得るんだ」と知っていれば、慌てることもないでしょう。
(1)前に置き時計を置いておきながら、いきなり試験官個人の時計で試験を始める
これは一昨年(2011年)の話。
この時は、受験会場の教室の前の方に置き時計が置いてありました。ちなみに、教室に元からかかっていたものではなく、わざわざ試験のために置いたと思われる位置です。
わざわざ置いてあったら「ああ、この時計でやるんだな」と思いますよね。自分の時計の秒針もこの時計に合わせました。
でも、午前科目の開始時、試験官が「では私の時計で始めます。始めて下さい」と試験を自分の時計で始めました。
試験官の時計と前に置いてある時計とは合わせてないみたいでした。私だけかもしれませんが、とてもびっくりしました。
この年は「前にわざわざ時計を置くなら、その時計と試験官の時計は一致させておいて欲しい。どっちをどっちに合わせるんでもかまいませんから」と午前科目の後に文句を言った記憶があります。
前に時計が無いんなら、試験官の時計でやることに異論はありません。でも、会場側でわざわざ時計を置いた上でこんなことするなんて、いったい何のトラップか、と思いました。
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(2)配布物や受験の注意に時間がかかり、13:02から試験開始
これは今年(2013年)の話。
私が受験した教室は、結構小さめの教室でしたが、教室の規模と配置人員の比率が微妙だったのかもしれません。午後試験の問題冊子や解答用紙の配布に時間がかかったようでした。
試験官が問題文の注意書きを読み始めたのが55分頃だったと思います。
説明を読むペースと残り時間を考えるに、どう考えても13時までに氏名や受験番号を書く時間が残っているとは思えません。
また、試験官の説明を読むペースにも、ちっとも急ぐ様子が見受けられません。
隣の席のお姉さんは、こっそり氏名や受験番号を書き始めていました。
そういえば、午前科目の時は「私の説明が終わるまでは、記入を始めないでください」という説明がありましたが、午後科目の時には明示的に言っていませんでした。
また、周りを見てみると、ちゃっかり書き始めている人も数名いる様子でした。
試験官も時刻を宣言する段になって「今、私の時計で・・(しばらく沈黙して考えている様子)13時ですから・・・(とその後何事もなかったかのように説明に戻る)」と、その段になってようやく時刻が押していることに気付いた様子でした。
どうするんだろう、これでこの会場だけ短い受験時間になったら暴動ものだぞ、と思っていたら、結果としては「13時02分から16時02分まで試験官の時計で試験を行う」という説明がなされて、受験生一同ほっと胸をなで下ろしました。
ハラハラさせられた体験でしたが、本来の目標時間のとおりに解いていけば、最後に2分のボーナスがあるようなものです。
そういう意味では2分遅れの開始は、ラッキーなことだったのかもしれません。
ただ、要らぬことを考えずに試験に集中できるように、できれば本来の時刻に始めて欲しいものです。
4.まとめ
・漫然と待っていても正しい時刻は得られない。
・対処方法:ダメ元で手を挙げてみるか、事前に時計を2つ準備しておく。
・試験会場に置き時計があっても、試験開始の合図は別の時計でやることがある。
・試験開始時刻が遅れたら、終了時刻も遅くしてくれる。焦らなくて良い。
5.G-SHOCK購入しました【2013年10月5日追記】
コメント欄でバナナさんにG-SHOCKのストップウォッチ機能が良いよ、と教えていただいたので、検討の末、購入してみました。
G-SHOCKにはこれまで馴染みが無く、たくさん種類があって選ぶのに苦労しました。注意したのは下記のポイントです。
・ストップウォッチに60分計、24時間計、1000時間計など複数スペックがあるので、うっかり60分計モデルを掴まないようにする
・反転液晶タイプは見辛いらしいので避ける
・できるだけ低価格
初めて買うG-SHOCKなので、まずはともかく買ってみて、使っているうちに欲しい機能もわかってくるかな、と思いました。高いモデルを買うなら、自分の好みがわかってからでいいや、と。
そのようにして選んだモデルがこれです。
購入した9月11日当時の価格で9,180円でした。安いことは正義です。
月の満ち欠けや、潮の満ち干がグラフで表示される機能があったりします。
潮はどうでも良いですが、メガテニストなので月の満ち欠けは少し魅力的です。
あれから答練も試験も受けていないので未出動ですが、少し心配していた液晶は見易く、現場で活躍してくれそうです。
コメント
こんにちは。
楽しく読ませて頂いてます。
自分も午前28午後29でした。
記述だいたいできた感じなので、微妙な感じで発表待ちです(笑)。
時計の時間合わせの件ですが、自分はGショックのストップウォッチを使ってました。これだと時計合わせに悩む必要がないのがオススメポイントです。
お互い合格してるといいですね。
バナナさん、コメントありがとうございます。
とても嬉しいです。
バナナさんも午前28午後29ですか、奇遇ですね。
微妙なラインなので10月2日が待ち遠しいですよね。あと丸々1ヶ月以上あるなんて、気が変になりそうです。
Gショックはストップウォッチで3時間計れるんですね?
私は腕時計はアナログ派だったのでデジタル方面は頭に無かったのですが、良さそうですね。
私は時間配分表を答練用と模試用(本試験含む)の2種類作ってましたが、ストップウォッチなら1種類で済むし、とても惹かれます。
来年は司法書士試験は受験しなくて良いことを願っていますが、今後も土地家屋調査士やら取っていくつもりでいるので、Gショックは一つ買っておこうかな、と思いました。
バナナさん、一緒に合格してたら、ぜひ研修で会いましょうね。