6回目の受験にしてようやく初の基準点越えをした、生粋の「ベテラン受験生」neunzehnです。
私の場合は、実力はあるけど本番に弱いとかそういうパターンではなく、単なる実力不足でこれまで基準点を超えられなかった、本当に悪い意味で使われる「ベテラン受験生」です。
一丁、ベテラン受験生の記事を書いてみることにしました。
1.ベテラン受験生って強いの?
きっかけは遊々さんの下記の記事です。
遊々の「司法書士試験ってどうすれば受かるの?」 司法書士試験の難易度を下げる方法
遊々さんの答練結果には、いつも刺激をもらっていました。
初受験の人が減る
↓
受験者がベテランばかりになる
↓
さらに、司法試験不合格者が流れてきて、午前の平均点が上がる
↓
ますます試験が難しくなる
今回の記事を書く動機になった部分の引用です(記事の本論とは違う話に食いついてすみません)。
この下りを読んで「ベテラン受験生はデキる」というイメージをみんな持ってるよな、と思いました。
実際、私の中にも漠然とそういうイメージはありましたし、皆さんがそう感じるのもよくわかります。
2.実力のあるベテラン受験生ってたくさんいるのか?
実は、合格する実力を持ちながら何年も受験するベテラン受験生って、それほど数はいないんじゃないか、と私は思います。
そもそも本当に要領が良く、本番にも強い人は一発で合格したり、2年目で合格したりするので、ベテラン受験生にならないです。
また、本当に実力のあるベテラン受験生も、実力を発揮して合格したら次の年にはもう受験しません。脅威になるのは合格する年だけです。
つまり、恐れられている「実力のあるベテラン受験生」ってのは、そんなに数がいるはずがないのです(それでも毎年一定の割合、いるだろうとは思いますが)。
また、お金の面で何年もベテラン受験生をやってられる環境にあるかどうか、という話がありますので、やはりベテラン受験生を続けられる人は限定的になると思います。
3.ベテラン受験生も一介の受験生に過ぎない
自分もベテラン受験生なので自嘲を込めて言いますが、本試験に参戦するベテラン受験生って、所詮は「今まで総合合格点に達したことが無い受験生」なんです。
そもそも、基準点を突破し、総合合格点を超えて合格することを目指して勉強しているはずなのに、今まで総合合格点を超えたことが無い人たちを恐れて、合格などできようか、と私は思うのです。「あなたは今年総合合格点超えるつもりなんだよね、本当に人を押しのけて合格する気あるの?」って話です。
(1)一つのベテラン受験生の具体例として
これまで私が受験した本試験の成績です。
択一午前 | 択一午後 | 不登記述 | 商登記述 | |
平成20年 | 22 | 20 | 択一足切 | 択一足切 |
平成21年 | 28 | 21 | 択一足切 | 択一足切 |
平成22年 | 20 | 25 | 択一足切 | 択一足切 |
平成23年 | 記録紛失 | 記録紛失 | 択一足切 | 択一足切 |
平成24年 | 25 | 24 | 択一足切 | 択一足切 |
平成25年 | 28 | 29 | 26 ※ | 30.5 ※ |
※LECの再現答案採点サービスの採点結果
周りの受験生にとって私が脅威になり得たとしたら、今年の受験だけだと思います。
ちなみに、去年まで芽が無かったからといって、今年もそうとは限らないということも言えると思います。
そして、想定どおり今年ちゃんと受かっていれば、もちろん来年の本試験は受験しません。
4.初受験の人がノーマークなのはなぜ?
視点を変えて、そもそもベテラン受験生は脅威とみなされることがあるのに対して、初受験の受験生には皆さん無頓着なのはなぜでしょう。
毎年、一定割合の一発合格者がいて、そういう人たちが確実に合格者の席の一部を占めているのに、初受験組は皆さんノーマークなんですよね。
一発合格が稀だとは言え、インプット講座が終わった年であればその記憶が残っているでしょうし、2,3年目の受験生と比べて劣るのは演習量と経験くらいのものです。決して侮れない存在である、と私は思っています。
5.想定すべきライバル像
そういったことを踏まえて、私は「今年、基準点を超えてきて、総合合格点を争う実力を持つ受験生」を想定すべきライバル像としています。
例え初受験でも、本試験までにきちんと実力を備えて受験に望んでくれば脅威です。
逆に、何年勉強していようと、答練でどんな成績を取ってこようと、今まで総合合格点まで取ったことがないという点においては実力のあるベテラン受験生であっても、自分と同じ一介の「受験生」です。
「自分は今年こそ合格する」というつもりであれば、自分は今年は総合合格点を超えるつもり、ということですから、ベテラン受験生を自分と同列以上に扱う必要は無く、必要以上に恐れる必要は無いわけです。
6.敵を自分で勝手に大きくしない
存在しない「実力のあるベテラン受験生」の虚像に怯え、勝手に萎縮するのはもったいないことだと思います。
毎年毎年合格者が出ている以上、上位層の一番上2.8%は必ず抜けていくのですから、この司法書士試験の世界では確実に新陳代謝が機能しています。
司法書士試験に対する意識としては、「次は自分がそこへ上がっていくぞ」と思っていれば良い、と思っています。
競争試験ではありますが、そういう意味では自分との闘いですね。
少し脇道に逸れますが、競争試験である、という部分は「みんなが解ける問題を落とさない、誰も解けない問題は解けなくて良い」という部分で重視すべき問題だと思います。
私は過去問至上主義者なので、特にそう考えています。
過去問知識で解けない問題を解ける知識をベテラン受験生は持っているかもしれませんが、そういう知識が無ければ合格できない試験ではないと思います。
7.まとめ
・実力のあるベテラン受験生の数は多くない
・ベテラン受験生も一介の受験生に過ぎない
・実力があるベテラン受験生が脅威になるのは合格する年だけ
・初受験組もライバルの一部
・敵を勝手に大きくしない
・できる人は上から順に抜けていき、残らない。新陳代謝。
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