[司法書士試験]口述試験の記録

1.LECの口述模試

平成25年10月2日(水)4時の合格発表の後、LEC広島校にTELして口述模試の予約をしました。口述模試は10月6日(日)。時間帯は全体一括でなく、個人ごとに早い者勝ちで決まっていくようで、私は10:20~になりました。

 

島根在住なので、普段広島へは高速バスを利用しています。口述模試の当日は、予定していた高速バスにギリギリで乗り遅れ、当日のトラブルのリハーサルも兼ねて、自家用車で広島に行ってみることにしました。
駐車場からLEC広島校への道中、少し迷ったりしましたが、かなりの時間的余裕をもって着くことができました。

 

LECでは待合室でアンケートの記入を依頼され、自己採点の点数に始まり、直前期の勉強時間だとか、結構細かいことを書かされました(適当に書いても良いんでしょうけど。Evernoteで調べたりもしながら書きました)。

 

アンケートを書き終わった後の待ち時間は、もらったレジュメをパラパラとめくってみる他には、司法書士法の第1条、第2条を暗記して過ごしました。

 

口述模試の面接官は、広島の青年会の会長をされている司法書士の方でした。不動産登記法はオンライン申請関連、商業登記法は取締役会について問われました。司法書士法は全般的な出題。

すぐに回答を思いつかない問もありましたが、その場で考えを口に出しながら説明してみると助け船を出してくれたり、本番に即した良い練習になった、と感じました。
できるだけ口述模試は受けておくべきだと思います。

 

2.口述試験対策

(1)勉強スタンス

口述試験は落とすための試験ではないので、最低ラインの勉強で済ませる、というのが私の基本スタンスです。でも、不安との闘いもあります。どうせギリギリになってきたら焦って勉強したくなるだろうから、不安になり始めてから、やれるだけの勉強をしたらいいじゃないか、と思っていました。

 

個人的に考えていた最低ラインは、司法書士法第1条、第2条はきちんと暗記(さすがにこれを覚えていかなかったら、面接官に失礼だと思う)。司法書士法の業務、懲戒事由等は覚えられる範囲で覚える。不動産登記法、商業登記法は、レジュメを一周して出題傾向くらいは知っておく。

 

わからないことを問われた時は「わかりません」「思い出せません」「○○○か□□□のどちらかだと思うのですが、、、○○○だと思います」など、正直に切り抜けるつもりでした。全ての質問が答えられないという事態は無いでしょうし、一時恥をかくだけのことです。

 

何より大事なのは「遅刻、欠席をしないこと」だと思っていました。会場には這ってでも行く覚悟でした。

 

(2)勉強時間

平日には朝と昼休みに勉強が可能な時間帯がありますが、朝はやりたいことをやってしまい、昼休みにしか勉強はしませんでした。

 

また、10月8日に「ファミリーマネジメントジャーナルの執筆メンバーに入らないか」という嬉しいオファーをいただき、連休の間も自己紹介を考えたり、初回記事を書いたりしていました。自分としては、落ちる可能性の無い試験に時間をつぎ込みたくは無かったので、好きなことに時間を使えて、それで良かったと思っています。

 

最終的な勉強時間は口述模試も含めて約6時間でした。

 

(3)教材

LECの口述試験レジュメの他に、Wセミナーのレジュメも購入しました(ジャンプ答練まで含むパックなら無料でもらえたのですが、ホップとステップだけの答練パックだったので、1,000円払っての購入です)。

 

  LEC Wセミナー
冊子 厚い 薄い
出題形式 年度ごと
(重複有り)
分野ごと
(重複無し)
その他 予想問題有り 数人分の受験生の再現問答有り

LECの「重複有り」は、複数年度で問われている問題は、同じ問題であっても省略せず記載してある、ということです。問題の重要度の濃淡がわかるので、重複=悪とは単純に言えません。

 

レジュメの他には、いつでも司法書士法の条文を参照できるように、法令データ提供システムのhtmlデータをkindleアプリで読めるようにして使っていました。スマホでいつでもすぐに確認でき、ハイライトしておけば1条、2条、52条と離れた条文にも飛べるので、結構便利でした。

 

(4)教科ごとのバランス

司法書士法の第1条、第2条は、口述模試の際に核を整えた後、ちょこちょこ隙間時間に暗記しました。
キーワードをまず覚えるようにしたり、文頭の1字をピックアップして語呂合わせにして覚え(ししそとも→獅子外も、しつぎこ→室ギコ(猫))、詰まった時の手助けにしたりしました。

 

前日になって「司法書士会の目的(52条2項)」も覚えていないと答えられないな、と思い始めたため、キーワードを中心におおまかに覚えました。

 

Wセミナーのレジュメの方が薄かったので、平日はWセミナーのレジュメを仕事かばんに入れて昼休みに読みました。レジュメの通読は司法書士法だけ2周、不登法、商登法は1周しかできませんでした。

 

LECのレジュメは、当日の待ち時間に平成24~20年(各科目)を読みました。1周のみ。

 

3.口述試験当日

(1)日程

私は午後の組でした。メールで連絡を取っている同期の方の情報によると、広島や呉のように近場の人は午前の部、私のように遠方から来ている人は午後に振り分けられているようだ、ということでした。

 

ランダムか、受験番号順か、機械的に2つに分けるのだろうと思っていたので、意外な法務局(法務省?)の配慮でした。前泊しなくて済むので、大変助かりました。

 

(2)控え室

入室時、受付で「筆記試験の受験申込時の情報から変更があるか?」ということを確認されます。私は本試験後に引越をしたので、「変更有り」でした。
すると、「申出書」なるものをもらえます。これに変更前後の住所を記載して提出します。押印欄がありますが、「印鑑は押さなくても大丈夫です」と言われました(持っていたので押しましたが)。

 

くじ引きの順番は3番でした。ドキドキから早く解放されるし、何より早く帰れるので良かったです。

 

席には新人研修についての資料が置いてありました。webで既に公開されている資料のみならず、初見の資料も有りました。特別研修の必読図書・参考図書が山のように紹介されていて「これ全部買うの?」とビビります。

 

(3)口述試験本番

問われた内容を、覚えている限りで箇条書きで紹介します。

 

不動産登記法:保存登記
  • 申請適格のある者(「他にはありませんか?」で収用まで答えた)
  • 区分建物につき、敷地権の有無で添付書類はどう変わるか
  • 収用、判決による保存登記の前提として表題登記は申請必要か
  • 給付判決、確認判決、形成判決の中に申請適格が認められない判決はあるか
  • 保存登記の甲区、他の登記と異なる部分は

 

商業登記法:新株予約権
  • 新株予約権の登記事項を列挙
  • 新株予約権発行時の登記期間
  • 新株予約権行使時の登記すべき事項を列挙(「他にはありませんか?」で資本金の額)

 

司法書士法:司法書士法一般
  • 司法書士の職責
  • 司法書士の義務3つ挙げよ
  • 登録制度の目的
  • 注意勧告について説明せよ

「注意勧告」については、レジュメで出てこなかったので、思ったことを推測で答えましたが、見当違いな回答をしたようです。聞き返され、焦りました。

 

私の推測は、月報司法書士で見ていた懲戒事例の後に掲載されている注意勧告事例を元にして考えました。
懲戒は司法書士の氏名等、細かく公表されるのに対し、注意勧告は司法書士の氏名等が記載されず、懲戒に比べて情報が曖昧にされています。そこから「戒告に至るほどではないが、規則に違反している可能性が高いグレーな案件について周知を促すもの」という趣旨の回答をしました。

 

司法書士法61条に注意勧告というズバリの条文があるので、本来はこの内容を答えられれば良かったのでしょうね。

 

司法書士法
(注意勧告)第六十一条 司法書士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

懲戒の主体は法務局等の長ですが、注意勧告は司法書士会が主体、というあたりもポイントなのかな。

 

4.同期との出会い

LECの海野講師や、司法書士の先輩である妻の話から、「同業者は基本ライバルだけど、同期だけは特別なんだ」という話を聞いていたので、同期の方との出会いも期待していました。しかし、実際には待ち時間の間は基本的に皆さん詰め込みに忙しいので、ほとんど交流するどころではありませんでした。

 

口述試験が終わった後は一人ぽつねんと放り出されるので、大人しく帰るのが通常パターンだと思います。司法書士の先輩である妻の話によると、研修で寝食を共にして仲良くなるんだから、まだ全然焦らなくても良い、ということでしたが、少し残念でした。

 

なお、広島会場では広島司法書士青年の会が主催するフォーラムがありました。私の場合は、現役の司法書士も身近にいるし、開業もゼロからするわけではないから、という判断で参加しませんでしたが、早い時期に同期と知り合いになれるというメリットがあったようです。

 

研修の情報を集めたり、早くから同期との絆を深めておきたい、という思いがある方は、口述試験後に開催される合格者向けイベントに積極的に参加すると良いと思います。

 

5.編集後記

遅刻・欠席しなければ落ちる人はいないと聞いてはいても、準備期間が少しでもある以上は徒手空拳で臨むわけにもいかず、必須の暗記事項もあり、口述試験が終わるまでは安心できない、という心理状態でした。
また、クリティカルな遅刻・欠席についても可能性はゼロではないので、実際に現地に着き、控え室に入るまでは気が抜けませんでした。

 

ようやくプレッシャーからも解放され、今は研修の情報収集等にいそしんでいます。現在の関心事は主に下記の二つ。

 

  • 合格証書交付式の日程
  • 特別研修の必読図書・参考図書はどこまで買うか

 

合格証書交付式は合格発表後、研修の申し込み締め切りまでのところで開催されると推測していますが、この日程がわからず困っています。具体的な日程でなくても、法則性、調べ方でも良いのでご存じの方は教えていただけたら大変喜びます。

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