[Toodledo]Remember The MilkとToodledoの比較 – 2年間並行して使い続けた私の感想

RTMvsToodledo タスク管理

RTMvsToodledo

島根の司法書士、坂根(@sakane0958)です。
前回の記事でも触れましたが、タスク管理を始めてからの2年間、プライベートタスクをRTMで、仕事タスクをToodledoで管理するという多ToDoアプリ派のタスク管理を行ってきました。 
この2年間で気付いたことや、RTMからToodledoへプライベートタスクを移してみてわかったRTMとToodledoとの差を整理してみようと思います。

ToodledoがRTMより優れている点

Toodledoは日付と時刻の入力欄が分かれている

私は「今日やるべきこと」リストをベースにしているので、朝やるべきこと、昼休みにやるべきこと、夕食後にやるべきこと、を一まとめにして表示するため、日付にプラスして「時刻」も設定しています。

Toodledoでは日付と時刻は同じダイアログで編集しますが、欄が分かれています。

ToodledoDateTimeEdit_thumb

一方、RTMでは時刻はおまけ扱いです。
日付の後に、必要があれば時刻も指定する、という形です。

RTMDateEdit_thumb

日付だけを変更したい場面は頻繁にあるのですが、時刻部分を残したまま日付を変更するのが、地味に面倒です。
祝日対応等でうっかり一括変更してしまうと、時刻情報がいっぺんに失われたりします。

Toodledoは日付変更画面にカレンダーがある

上記の画像からわかるとおり、Toodledoでは日付編集画面でカレンダーも表示されます。
文字入力で指定することも、カレンダーをクリックして日付指定することもできます。

RTMだと、文字ベースで指定する必要があります。
来週への延期であれば、「Fri」等の略語で曜日指定すれば済みます。これは手間もしれています。
しかし来週以降は少し面倒です。
来週以降の日付は、パッと頭では出てこないので、「別途カレンダーを参照して日付を確認、それから入力する」という手間が発生します。
これも日々よくある作業なので、少々面倒です。

RTMは繰り返し設定等の日本語認識の精度がかなり悪い(Toodledoはぶれない)

RTMのリピート設定は、日本語で運用していると、しょっちゅう壊れます。
これは「タスク管理システムとして信用をおけない」という意味で、致命的な問題です。
私は最近は運用でカバーしていたので、もしかするともう改善されているかもしれませんが。
元々英語圏のシステムを中途半端に日本語対応したために生じた問題だと考えています(RTMの日本語化は、ボランティアの手によって少しずつ進められているようです)。

例えば、少し複雑なリピート設定を、がんばって登録したとします。
それが登録される際には、正しく登録されるのですが、モバイルアプリでタスクを編集すると、とんちんかんなリピート設定に勝手に変換されることがあります。
リピート設定をいじっていないのに(タスク名変更とか、日付編集とか)、リピート設定が誤変換されることもありました。

運用でのカバー方法としては、ブラウザ版では設定で表示を日本語でなく英語に変更して使う、モバイルアプリからはリピートタスクはいじらない、という運用をしていました。

それから、RTMでは「リピートタスクが増殖する」という減少がたまに発生していました。私はToodledoでは経験したことはありません。
これはおそらく同期のタイミング等の問題で発生しているのではないかと思いますが、あまり気持ちの良いものではありません。

RTMはリストが多くなってくると、リストの視認性が悪くなる(Toodledoではビューの活用でごちゃごちゃを回避できる)

Toodledoはビューが用途別にとりどり用意されていて、それぞれのビューを使い分けることで様々な角度からタスクを管理することができます。
他方のRTMは、自分の使いたい検索条件をリストに登録して、リスト一覧の中から自分で選んで使うような形ですが、うまく整理しないとすぐにごちゃごちゃして使いづらくなります。

これは、自分でそう思うようになったというよりは、RTMを使い始めた頃に見かけたこの記事を見て、「そういうデメリットがあるのか」と知ったのですが、実際にそのとおりでした。

ToDo管理ツールをRemember the MilkからToodledoへ変更 | mylifelog
”リストの数が多くなると図のように一気に視認性が悪くなります。”

ToodledoはRTMより安い

これも、タスク管理ツールは長期にわたって使い続けることが前提なので大きな問題です。
ToodledoはSilverアカウントで年間14.99ドル、RTMは年間25ドルです(2014年3月16日現在)。
RTMがToodledoよりも勝っている部分が大きければこの価格で問題はありませんが、むしろToodledoの方が高機能と言えます。

また、Toodledoは無料アカウントのままでもモバイルアプリが使えますが、RTMの方はProアカウントが無いと事実上モバイルアプリが使い物になりません。
そういう面からも、RTMのProアカウントにお得感が無いのは痛い。
RTMには、ユーザーから徴収したお金は何に使っているのか?ユーザが投資した分だけ前に進んでいるのか?と言いたくなります。

Toodledoには★がある(RTMにも優先度はあるけど)

私はToodledoでは★で「今日のやるべきこと」を絞って表示させています。
RTMにも「優先度」(1~3の3段階有り)という要素があり、★と似たようなことはできます。
「★が無いのがそんなに大きなことか?」と思われるかもしれませんが、よく考えてみると作業の手間が結構違います。

Toodledoでの★の付け外しは、ワンクリックでできます。
一方、RTMで優先度を変更するには、タスクを選択して、1~4の数字を入力する必要があります。
つまり、マウス操作とキーボード操作を要する作業です。

また、優先度を外す時は迷わないですが、付ける時には1にするか2にするか3にするか迷うこともあります。
選択肢は多ければ使いやすい、とは限りません。
シンプルな方が良いこともあります。

ちなみに、「タスクの完了」についても1クリックで済むのか、マウスクリックとキーボード操作が必要か、という問題が共通しています。
「タスクの完了」操作は、タスク管理において避けて通れない作業なので、簡単であることは善であると考えます。

Toodledoではタスクの収集と整理を分け易い(RTMではタスク登録後の編集が少し面倒)

どちらのツールも、タスク名の登録時にはキーボードを使うことになります。
その後のステップが少し異なると感じています。

RTMだと、タスクをいったん登録した後に編集しようと思ったら、基本的にはマウス操作とキーボード操作が必要になります。
マウスでタスクを選択し、編集したい項目を編集状態にし、キーボードで値を入力する。

これが少し面倒なので、私は「スマートアッド」という機能でタスク登録時に設定したい項目を登録してしまうことを心懸けていました。
スマートアッドを使いこなせば、マウスを使わずキーボードだけでタスクを登録することができます。

ただ、自分の思いとしては、タスクを登録するときはタスクの登録のみをテンポ良く集中して実行してしまいたい。
タスクにそれぞれの属性を設定するのは、後からゆっくりやりたいのです。

一方のToodledoは、タスクを登録した後、マウスのみで変更できる項目が多いように思います(日付然り、★然り、Status然り)。
時刻のように、キーボードを使わないと入力できない項目もありますが、RTMよりサクサク整理できる感覚があります。
キーボードを使わないと入力できない項目についても、マウス1操作で編集状態になるので、RTMよりスムーズなのだと思います(RTMだとタスクの選択、編集したい要素の選択の2操作が必要)。

RTMにはDeferredタスクの概念が無い

Toodledoには「Deferredタスク」という概念があります。
GTDでいわゆる「連絡待ち」状態のタスクを、表示しない設定にしたり、元に戻したりすることが簡単にできます。

RTMにはこういう概念は無いので、簡単に隠したり再表示したりすることはできません。
自分でタグと検索構文等を駆使して、システムを作り上げる必要があります。

RTMの良いところは無いのか?

私のような効率重視の者からすると断然Toodledoが良い、という話になるのですが、RTMに存在意義が無いとは思いません。
まず、初心者向けにはToodledoよりRTMの方がとっつきやすいと思います。

日本語化されている

英語が苦手な方にとっては、何をするにしても英語と直面しなければならないのは苦痛であろうと思います。
Toodledoでは、タスク名やメモ欄には支障無く日本語が使えるものの、日付設定やリピート設定は英語で行う必要があります。

ただ、RTMの日本語化はボランティアベースの日本語化であり、商業的に十分な水準であるとは思えません(特にリピート設定周り)。
安定的な運用をしようと思ったら、むしろ英語に設定して使う必要が生じるなど、日本語化については一長一短であると思います。

項目が少なく、迷わず使える

Toodledoを始めたは良いがなかなか続かない人が多い理由として、「Toodledoではタスクに設定できる要素が多過ぎる」ということがよく挙げられます。
タスク管理を始めてしばらく経ち、運用が固まってきていれば、自分に必要な項目も絞り込めるはずなので、使わない項目を非表示にすることですっきりした運用ができます。
しかしタスク管理を始めた当初に、評判が良いからという理由でToodledoを選び手探りで使い始めると、タスク管理に慣れること、Toodledoに慣れることの二重の負担がかかり、大変だと思います。

RTMは、そういう面においてはシンプルに作ってあると思います。
基本的にはタスク名のみを登録して使うこともできますし、日付やリストやタグを使って整理する必要があれば、おいおい入力して使えば良いのです。

Toodledoでももちろんそういう使い方はできるのですが、項目があると「入力しなければいけないのではないか」と思ってしまうのが人の性というものです。
RTMの造りは、そういう迷いがToodledoより生じにくい気がします。

ちなみに、Remember The Milkはその名前が示すとおり、日々の細々したタスクを忘れないようにする程度の、タスク数の少ない運用に向いていると思います。

もしGTDのように、気になることの全てをタスク管理システムに登録して管理する、という運用にRTMを使おうと思ったらRTMへの深い理解が必要になろうかと思います。
自分のやりたいことが実現できるリストの作成(そのための検索構文の理解)、リストの取捨選択・洗練、マウス操作を省略するためのキーボードショートカットの暗記等々。

入り口のわかりやすさとは裏腹に、高度なことをやろうと思うと逆に難しくなる気がします。

タスク管理が楽しくなるインターフェース

デザインにこだわる人にとっては、Toodledoは無骨に感じられるようです。
RTMはデザインについては力を入れている感じがします。

タスク管理を始めた当初は、挫けそうになることもあることもあるかもしれません(タスク管理は自分が楽になるためにやるのであって、「やらねばならない」と思わず楽にやれば良いとは思いますが)。
モチベーションの面で、後押ししてくれるのはToodledoよりRTMかもしれません。

編集後記

Toodledoへの全面的乗り換えを考え始めるまで、自分ではRTMをそれなりに気に入っているつもりで使ってきました。
改めて振り返ってみると、いろいろ不満もありつつも、なるべくそういう面を見ないようにしてきたのだ、ということに気付きました。

でも、タスク管理を始めるユーザに複数の選択肢が存在することは大事なことだと思います。
向き不向き、好みも人様々ですから。

私の場合は、無骨でもいいから効率的なToodledoの方が性に合っています。
私が今後RTMをメインで使うことは無いのではないかと思いますが、RTMが今後どう進化していくのか、これからも興味をもって見守りたい、とは思っています。

関連記事

[RTM]RTMとToodledoの比較(その1)

RTMとToodledoの比較記事、4連作の1つ目。
Windows&Android環境での選択肢検討、RTMのとっつきやすさ、RTMの日本語のダメダメさについて2012年10月に書いた記事です。

[RTM]RTMとToodledoの比較(その2)

RTMの使いづらいところが目につき始めたので、Toodledoへの移行を検討し始めた、という記事です。
本編の記事では触れませんでしたが、RTMはタスクの並び順のコントロールがしづらいのもよろしくありませんね。

[Toodledo]RTMとToodledoの比較(その3)

RTMと比較した際のToodledoの魅力について書いた記事です。
Toodledoの教科書的な書籍の紹介もしています。

 

[Toodledo]RTMとToodledoの比較(その4)

RTMとToodledoの多ToDoアプリ派の運用を紹介しています。
コストが倍かかるというデメリットにも触れています。

[RTM]言語設定を英語に変更して使う

RTMのリピート設定の日本語処理がダメダメなので、言語を日本語でなく英語にしてみたら快適だった、という記事です。

ちなみに、当時グラントにAndroidアプリの言語設定について聞いてみたところ、「そういう設定変更は現状できない、開発チームに伝えておく」という趣旨の回答でした。

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