[TaskChute]「なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? 「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術」を読みました

タスク管理

島根の司法書士、坂根(@sakane0958)です。
敬愛する佐々木正悟さんの新刊を読みました。

内容のほとんどは「タスクシュート式」の魅力と必要性

エクセルマクロのTaskChute2のことが書いてあると思っていましたが、私の予想に反して、TaskChuteについての部分は1割にも満たず、ほとんどの内容は「タスクシュート」についての話でした。
これは嬉しい誤算。
ちなみに「TaskChute」という表記と「タスクシュート」という表記はただの表記揺れではありません。

345 [TaskChute]タスクシューターの成長モデルを5段階で表してみた
”・TaskChuteとタスクシュートの違いを説明できる。”

私の理解では、「TaskChute」は大橋悦夫さんが作った「Excelマクロベースのタスク管理ツール」を表します。
一方「タスクシュート」という表記は、佐々木正悟さんが提唱する時間及びタスクを管理する考え方であり、TaskChuteの本質部分を概念化したものです。
つまり、TaskChuteを使えばタスクシュート式にのっとった方式で時間管理・タスク管理が行え、タスクシュート式で時間管理・タスク管理をするためには必ずしもTaskChuteを使わなければならないわけではなく、ToodledoやTaskPort等で同様のことを実現することはできそうです。

時間が足りなくなる理由

本書では、時間が足りなくなる理由として下記の4つに焦点を当て、それらに一つずつ章を割いて原因を検討し、処方箋を提示しています。
私が一番興味深く読むのは、この原因と処方箋の部分であり、おそらく他の読者もそうであろうと思います。

  1. ムダにできる時間がほとんどないことに気づかずに、時間をムダにしている
  2. 割り込み仕事や他人からの頼まれごとが入ると、ついそちらを優先してしまう
  3. いつも意識だけはしているのだが、手をつけるのが面倒で、先送りを繰り返す
  4. 完璧な成果を求めすぎて、90%の時間で10%しか終わらない

しかし、最終的ににこの4つに対する根本的対策を一言で表現すると下記のような当たり前と思えるようなところへ行き着きます。

  1. 時間をムダにしない
  2. 割り込み仕事を可能な限りブロックする
  3. 先送りしないようにする
  4. 仕事を完璧にやろうとしない

一言で書いてしまうと、どれも当たり前のことです。
では、読む価値が無い本かといえば、もちろんそうではありません。

筆者が書いている「本書の特徴」を引用してみます。

では、本書の特徴はどこにあるかというと、すでにお読みいただいていればおわかりのとおり、時間不足の問題を「精神論」ではなく、「紙の手帳を使う」といった簡便な方法でもなく、本格的なしくみを用いて解決しているところにあります。
「時間をムダにしないようにしましょう。時間は貴重です」といったやり方では、十分ではありません。忙しい人ほど、時間をムダにしているつもりなどまったくないからです。「1分もムダにできない」と本気で思っているビジネスパーソンが「これから時間をムダにしよう」などと思って行動するわけがないのです。
(中略)
「大事とは言えないが、省略できない行動」で、かなりの時間を使わざるを得ないのです。
(中略)
「書いたとおりに行動したくない」「このままいったら、いつ終わるかわからない」といった、心理的な問題にも対応しなければなりません。
これらの難しい問題に対応できてはじめて、時間が節約されるのです。

この本は、精神論や気の持ちようですぐに問題が解決する、というような甘いことは言いません。
むしろ、佐々木正悟さんは自分が怠け者であることを自認しており、そんな自分でもうまくやれる方法は無いものか、という視点で物事を考えていると思います。

精神論の代わりに「これらの問題が些末な問題に見えるけれども、根の深い問題であり、手間を割いて対策を取る必要のある問題である」ということを教えてくれます。

編集後記

私自身は、TaskChute2を日々使っていることもあり、実はすぐすぐ読む必要性を感じていませんでした。
TaskChuteの魅力が書いてあるのだろう、とは思いましたし、復習にはなると思いましたが。
しかし、実際にはしっかりと「タスクシュート式」の復習ができましたし、朝の習慣を考え直すきっかけももらえました。
紙の書籍だけでなく電子書籍も同時発売されていますので、kindle派もすぐに読めます。

この本を読めば、TaskChuteに馴染みの無い方でも私がTaskChute、TaskChuteと騒ぎ立てる理由が、わかっていただけるのではないかと思います。

関連記事(他ブログ)

『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』の目次とまとめ|シゴタノ!

『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』の目次とまとめ | シゴタノ!

 

 

まずこの本の目次が全て載っています。
それから、この本に監修者として携わっている大橋悦夫さん(@shigotano)の書いたまとめが載っています。
この本の概要を掴みたいとき、一読すると良いと思います。

【書評】なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?(佐々木正悟)|R-style

R-style » 【書評】なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?(佐々木正悟)

 

書籍タイトルで検索したらヒットしました。
シゴタノ!メンバーの一人、倉下さん(@rashita2)の書評。
こんな下りが出てきます。

一分たりとも休みを挟むことなく、何一つ割り込みが発生することなく、かつ全てのタスクが見積もり時間通りに終わったとして、約10時間。もちろん、これ以外にも昼食を食べたり、トイレやお風呂に行ったりする。
もし、私がこのタスクリストを完璧に遂行しようと思えば、Twitterなど覗いている時間はいっさいない。一心不乱にタスクに専心しなければならない。

「今日やろうと思っていることを全て挙げて時間を振ってみたら、とても一日に収まりきらない」ということは、実際に描き出してみるとしょっちゅうあることです。
でも、頭の中だけで考えている時には「それぐらいやれそうだ」と思ってしまうものなのですよね。

なぜ、ネクストアクションに手がけないのか? | ライフハック心理学

なぜ、ネクストアクションに手がけないのか? | ライフハック心理学

 

著者の佐々木正悟さん自身の書籍紹介記事。
内容の説明というより、問題提起的な話というべきでしょうか。
私はこの中の

”ネクストアクションは、茶を飲むことになるわけです。”

という感覚がよくわかります。
そういう人間の不合理性を把握し、対策を取っていかなければ、楽チンなタスク管理、流れるような一日のデザインは難しいと思うのです。

345 [TaskChute]タスクシューターの成長モデルを5段階で表してみた|はまラボ

345 [TaskChute]タスクシューターの成長モデルを5段階で表してみた

 

本文でも引用した記事です。
TaskChute公式エバンジェリストのはまさん(@Surf_Fish)の記事。

ちなみに私は自己申告で「TaskChute上級者(TaskChuteが生活の一部となっている時期)」に片足のっけているくらいでしょうか。
先の見通しをTaskChuteでほとんど管理しておらず、基本的にはその日のタスクにフォーカスしているので「・リピートタスクによって1週間先までのだいたいの見通しがついている。」だけは当てはまりません。

私は「タスクシュート方式の欠点」はすぐに思いつかないので「TaskChuteの達人(TaskChuteの伝道師)」への道のりは、まだまだ遠そうです。

関連記事(自ブログ)

[TaskChute]TaskChuteの魅力 – そもそもTaskChuteってどんなツール?

私にとってのTaskChuteの魅力は、類い希な「タスク実行力」です。
その実行力は、他のツールに無いExcelならではの時間処理能力と、それによって時間の無さを可視化することによって実現されていると思います。

他のツールでも、きっと機能としてやれないことはないだろうと思います。
しかし、そもそもツールを作る側に「タスクシュート式」な思想が無いのでしょう。
現状、TaskChute2がタスクシュート式を実践する上で一番心地よく使えるツールであると思います。

私にとって「佐々木正悟」という人はどういう人か

 

私が佐々木正悟さんに出会ったのはこの青本が最初でした。
「世の中にこういうことばかりを考えている人がいるんだ」ということを知り、とても興奮しました。
この青本は何回も読みましたね。

[TaskChute]TaskChuteでなければならない理由

移転前の旧ブログでTaskChuteの魅力について書いた記事です。

TaskChuteを使えば、ゴロッと与えられたまとまった時間をきちんと料理して使うことができます。
あれもこれもやりたい、がんばればできるだろう、と直感的に思うほどには時間が無いもので、実際には取捨選択をしなければなりません。
実行に移る前に、最低限やっておきたいことを選択しておくことで、時間が経った後の後悔を減らすことができます。

料理に例えれば、適当に焼いてみたら食材が余っただとか、時間がかかって食べ始めるのが遅くなっただとか、人数分足りなかっただとか、そういう残念なケースが減ります。

コメント

  1. […] この記事は「流れるような一日を」より転載しています。 […]

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