[親指シフト]やまぶきRのタイピングソフト用の配列定義を自動で切り替える方法

Domino lifehack
photo credit: domino1 via photopin (license)
Domino

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島根の司法書士、坂根(@sakane0958)です。
親指シフトの練習環境について。

親指シフトユーザーの練習ソフト環境

親指シフトの練習をするのに、タイピング練習ソフトを活用すると効率的ですが、世の中の多くのタイピング練習ソフトはローマ字入力やかな入力用に作られており、親指シフトの練習環境は限られています。
私が使っている親指シフトエミュレーターのやまぶきRでは、配列定義ファイルを切り替えることによって、タイプウェル等の練習ソフトを使えるようになります。

ただ、いちいち練習の度に配列定義ファイルを読み込み直すのは面倒で、練習が遠のきそうです。
そこで、配列定義の読み込み直しについては自動でできるような仕組みを作ってみました。

やまぶきRはコマンドラインから設定の読み込み直しができる

2014年10月22日にリリースされたやまぶきR Ver. 1.11.0から、「実行中のやまぶきRに対して外部から設定ファイルの切り替えを行う機能」が追加されています。

やまぶきR Ver. 1.11.0リリース: やまぶき作ってます
実行中のやまぶきRに対して外部から設定ファイルの切り替えを行う機能を追加しました  コマンドラインで「yamabuki_r.exe -p 2」のように「-p」の後に数値を指定すると、設定ファイルを切り …
”実行中のやまぶきRに対して外部から設定ファイルの切り替えを行う機能を追加しました コマンドラインで「yamabuki_r.exe -p 2」のように「-p」の後に数値を指定すると、設定ファイルを切り替えます。 有効な数字は1から10までで、メニューに登録した設定ファイルの並びに対応しています。1が一番上の設定ファイルになります。”

これは大変ありがたい機能追加です。
マウスでチマチマ設定変更をしなくても、もっと簡単な手順で設定ファイル(ひいては配列ファイルも)切り替えることができるからです。

この後に紹介する手順はバッチファイル内で設定ファイルを切り替えますが、別のやり方としてはやまぶきRのショートカットを作成し、リンクを編集することで「やまぶきRの設定ファイル変更ショートカット」を作ることもできます。
こうして作ったショートカットをデスクトップに置いておけば、タスクトレイのやまぶきRアイコンをこちょこちょしなくても、配列ファイルを切り替えることができます。

参考リンク:ショートカットの作り方
メモ/ショートカットの作り方 – Simutrans日本語化・解説

Batファイルの仕様

Batファイルとは、一発起動すれば、そこに書いてある複数の処理が上から順に実行される、小さいプログラムみたいなものです。
自作するケースも多いので、自動実行レシピ、みたいなイメージもあります。
バッチファイルの「バッチ」には、「まとめて一気に処理する」というニュアンスがあります。参考までに。

原則はウィンドウ閉じるまで待機

さて、Batファイルで普通にアプリを起動すると、起動したアプリのウィンドウを閉じられるまで次の処理が始まらず、待機状態になります。
私が使う時はそれでは不便なので、多くの場合は「start “” “」みたいなおまじないを使ってアプリを起動し、起動したアプリが閉じられるのを待たずに次の処理に移らせます。

例:[TaskChute]タスク実行前のヒントをバッチファイルで拡張する – ブラウザを指定してURLを開く、複数ヒントの実行 | 流れるような一日を
↑上記記事の中に、いくつか「start “” “」を使ったバッチファイルが出てきます。

ただ今回だけは、元々のまま(アプリのウィンドウが閉じるまで待つ)で使ったら便利なんじゃないかと思いました。
そのアイデアを次に紹介します。

発想:Batファイル内で「やまぶきRの設定変更」「タイピングソフト起動」「終了後やまぶきRの設定を戻す」

流れはこうです。

  1. コマンドラインからやまぶきRの設定をタイピング用に切り替え
  2. タイピング練習ソフト起動
  3. (タイピング練習)
  4. (タイピング練習ソフトのウィンドウを閉じる)
  5. やまぶきRの設定を元に戻す

これがうまくいけば、タイピング練習ソフトを使う前にタイピング練習配列に自動的に自動的に切り替わり、練習ソフトを閉じると自動的に元の配列が読み込まれて、スムーズに元の環境に戻ります。
まさに「流れるようなタイピング練習」が実現できるわけです。

具体的な環境設定手順

さて、肝心の設定手順です。
一度作ってしまえば良いものですので、少々面倒かもしれませんががんばって。

通常使う配列とは別に、タイピングソフト用の配列を設定したyprファイルを準備しておく

切り替えたいのは配列定義ファイル(拡張子:yab)であり、タイピング練習用の配列定義ファイルは元々やまぶきRに同梱されているので作る必要はありません。
ただ、コマンドラインから切り替えができるのは配列定義ファイルではなく「設定ファイル(拡張子:ypr)」なので、切替用の設定ファイル(ypr)を作ってやらなければなりません。

やまぶきRのアプリがあるフォルダ内に、現在使っている設定ファイル(ypr)があるはずです。
それをコピーして、タイピング用配列を設定して使うための設定ファイルを作ります。
区別が付きやすいように、ファイル名の末尾にtyping等付けると良いでしょう。

設定ファイルの追加方法

やまぶきRのマニュアルには「メニュー上の右クリックメニューから、設定ファイルを選択するための項目を追加したり削除したりできます。」とあります。
私は少々コツが要ると感じたので、少し詳しく説明します。

右クリックでメニューを表示させてから、そのメニュー内で再度右クリックすると設定ファイルを追加するためのメニューが出ます。

Image

再度の右クリックをする場所が、設定ファイルの並び順に影響するので、下の方に追加したい場合は「設定再読み込み」や「設定」あたりで右クリックして追加します。

ScreenClip

ScreenClip

上の方に追加したい場合は、追加後の設定ファイルの直下になる既存の設定ファイル辺りで右クリックすると良さそうです。

ScreenClip

ScreenClip

ここで、通常使う設定ファイルが1番目、タイピング練習用設定ファイルが2番目に来るようにして下さい。
上から何番目かで設定ファイルを指定するので、順番が狂うと動作がおかしくなります。

タイピング用設定ファイルの配列定義ファイル変更

ここまでできたら、追加したタイピング用設定ファイルを読み込み、「設定」から配列定義ファイル「NICOLA(タイピング).yab」を選択します。

Batファイルの中身

最後に、ここまでで準備した設定ファイルを読み込んだり、タイピング練習ソフトを起動したりするBatファイルを作成します。
フォルダの位置等は、ご自身の環境に合わせて適宜読み替えて下さい。

REM -----最小化して起動するためのおまじない----- 
@if not "%~0"=="%~dp0.\%~nx0" start /min cmd /c,"%~dp0.\%~nx0" %* & goto :eof

C:\Shared\Dropbox\Apps\yamabuki_r\yamabuki_r.exe -p 2

C:\Shared\Dropbox\Apps\TypeWell\TWellJK\TWellJK.exe

C:\Shared\Dropbox\Apps\yamabuki_r\yamabuki_r.exe -p 1
EXIT

このバッチファイル(またはそのショートカット)をデスクトップにでも置いておき、タイピング練習するときにタイピングソフトの代わりにこのバッチファイルを実行してやれば、配列定義の切替が自動で行われてタイピング練習ができるようになります。
私はTaskChuteの「タスク実行前のヒント」に登録して、定期的に練習するようにしています。

なお、私はタイピング練習ソフトとしてタイプウェル国語Kを使っています。
「K」はかな入力を意味しているようです。ローマ字入力は「R」。

概要・ダウンロード
”タイプウェル国語K 2.2.0 このソフトを利用すると日本語かな入力の高速タッチタイプが修得できます。”

TypeWellのランキングが面白い

親指シフトの場合、タイプウェル国語K(かな入力)のランキングに参加できます。

タイプウェル国語Kランキング
743 sakane0958 さん 880765 A A B A B 15/10/01 …
”743 sakane0958さん 880765 A A B A B 15/10/01”

メールで成績を送信すると、Web上のランキングに反映されます。
私も「sakane0958」というハンドルネームで参加しています。

自分の記録との闘いも良いですが、全国の猛者中で自分のランキングが伸びていくのもなかなか刺激になります。

私の場合は、最近記録が頭打ちです。
課題として、一つはまだまだ残る打ち間違いの是正。

もう一つには、リズムの問題を感じています。
サクサク打てる文字と苦手な文字とで打てるスピードが違うのですが、サクサクの方に合わせたリズムでタイピングしているときに苦手文字が出てくると、よく打ち間違いします。
むしろ、苦手な文字が出てきても冷静に打てるくらいのリズムを保った方が良い結果が出るような感覚。
基本がせっかちなので、なかなか実践できませんが。

ともかく、集中しなくても打ち間違いが出なくなるようなところまで指がきちんと配列を覚えてくれれば、あとは打てば打つほどスピードアップもできるのではないかと思います。

編集後記

イドさんの記事で、やまぶきRでタイピング練習用の設定があることを知りました。
これを知らなければ、私は親指シフト練習以外のタイピング練習ソフトを知らずにいただろうと思います。

[i]親指シフト習得までの道~11日目|2195分経過~ | アイドリングタイム
タイピングソフトをタイプウェルFTからタイプウェルKに変えました。 以前、やまぶきRのNICOLA配列でタイプウェルKを使う方法を調べたときは、方法を突き止められなかったのですが、再度ググったら、下 …
”タイピングソフトをタイプウェルFTからタイプウェルKに変えました。 以前、やまぶきRのNICOLA配列でタイプウェルKを使う方法を調べたときは、方法を突き止められなかったのですが、再度ググったら、下記記述にたどり着き、無事解決しました。”

私と同時期に親指シフトと出会い、いろいろ情報公開してくれたこと、諸々感謝です。

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親指シフト練習とTypeWellFTを紹介した記事。
親指シフト練習は登録してある例文を打つタイプ、TypeWellFTは自分で登録した文章を打つタイプの練習ソフトです。

タイプウェル国語Kは、中が4つのモード(基本日常語、カタカナ、漢字、ことわざ)に別れていて、各モード内でランダムに抽出された単語を打っていきます。
親指シフト練習、TypeWellFTのどちらともタイプの違う練習ソフトです。

[親指シフト]よく使う記号(@や:等)をやまぶきRで入力できるようにする方法 | 流れるような一日を

やまぶきRは配列をユーザが変更して使うことができます。
ローマ字入力の時代によく使っていた記号が覚えにくい場所にある場合は、配列の空いているところに入れ込んでやると良いです。

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