1.リアリスティック不動産登記法 記述式
司法書士5ヶ月合格法の松本講師の書籍です。
実は不動産登記法の記述にはそれほど苦手意識は無かったので、そう大きな期待を持って読んだわけではないのですが、意外に収穫があった本でした。
ざっと思い出せる限りでもこれくらい。
・問題文は頭から読まない。まず登記簿を確認、次に別紙に目を通して登記の概要を把握する。問題文を頭から読むのはその後。
・書き忘れミスを防ぐため、問題文にポイント事項が出てきたら、解答用紙にさっさと書いてしまう(例:登録免許税法の記載が必要かも、と思ったら思った時点ですぐに「登」だけ書く)。
・「注意事項」についての年度横断的な分析
・物件を地番、家屋番号でなく地積、床面積で判別する。
私は不動産登記については時系列の整理図は作らないのですが、作る方はそういう部分の工夫も載っていますので、それも参考になると思います。
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2.超速解 司法書士試験記述式商業登記法
こちらは「自分が時間がかかってしまうのは不動産登記より商業登記だ。商業登記のリアリスティック的な書籍は無いものか」という思いから、いくつかの書籍を買い漁った結果、ようやくたどり着いた書籍です。
この書籍にとても好感を感じるところは、「スピードを追究する」という側面をとても重視しているところです。
(1)整理図は書かなければならないか
同時期に買った書籍の中には「整理図を書くのを省略してはいけない。そういう部分で時短をすべきではない」という趣旨のことを述べている書籍がありました。
それは確かに正論かもしれませんが、自分が納得できるだけの実力を備えて本試験に臨める受験生がどれだけいるのでしょうか。
どんなに正確に整理図を書けても、それを答案に書き起こす時間が残っていなければ、1点ももらえません。
私は答練で何度も時間が少ない中で商業登記法の書式に取り組まざるを得ない状況がありましたので、そういう精神論よりも、超速解の具体的なテクニックにとても好感を持ちました。
ちなみに、私も普段は下記のような整理図を書く派の受験生です。
でも、残り時間が少ない場合に悠長に整理図を起こしていられない心境になることも多々ありました。
そういう場合や、自宅での演習の際などに、「超速解」式を実践してみることがありました。
私の場合、ミスの回数は増えました。ただ、そこで省力化した分、添付書面等、他の部分に気を回す余裕は増えたと思います。
増えたミスについても、似たようなパターンが多かったので、ミスに対する本格的な対応を取れば解消できるだろうと思います。
ミスに対する本格的な対応をしなかったのは、本来の整理図を書くパターンを自分の中の基本にしていたためです。
当時はもう直前期だったので、今更パターンを変えるのはリスクが大きいと思いました。
あくまで「超速解」式は緊急避難テクニック、という位置づけにしていたためです。
(2)整理図の省略以外にも細かいテクニック満載、基本的な論点も網羅
初見の時に印の付け方を工夫し、2回目に見る時は論点ごとに見たいところをすぐ探せるようにする、などの細かいテクニックもあります。
また、テクニックだけでなく商業登記法記述の論点の説明もそれなりに充実していると思います。基本的な頻出論点は網羅してあるのではないでしょうか。分厚いだけのことはあります。
商業登記法記述のスピードや、そもそもの点数の伸び悩みに悩んでいる方は一度手に取ってみると、得られるものがあると思います。
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